小樽情報
小樽情報

小樽運河の本来の姿が見れる「北運河」と「運河公園」

2024年12月07日

『小樽運河』で有名な小樽ですが、運河北側にある通称『北運河』をご存じでしょうか?

ほとんどの方は中央橋から南側にある運河だけを見て、運河観光を終えてしまいます。しかし、少し足を延ばしてみると『北運河』と呼ばれる古い港町の風情を残した歴史を感じられるエリアがあり、近くには『運河公園』という噴水のある公園も。

今回は、静かにゆっくり散策や休憩をしたいという方にもオススメの、小樽運河の穴場スポットである『北運河』と『運河公園』をご紹介します。

◆ 北運河エリア

小樽運河では、南端付近にある浅草橋で記念撮影をしてから運河沿いの遊歩道を歩き、中央橋あたりで観光を終了する方が多いのですが、小樽運河の本来の姿は、そこからさらに北に向かって伸びている『北運河』と呼ばれるエリアにあります。

ここでは、従来の港湾としての役割を色濃く残し、作業のために停泊している船も確認できます。また、この界隈には『小樽市指定歴史的建造物』に指定された倉庫や建物も複数存在しますので、お時間のあるときにはぜひ中央橋からさらに北へと足を延ばしてみてください。

中央橋を過ぎると観光客の数がグッと減るので、ゆっくりと散策が楽しめます。左側には小樽市の歴史的建造物に指定されている旧小樽倉庫(現:小樽市博物館/LeTAO 運河プラザ店)などがあり、さらに進むと右手に月見橋が見えてきます。この橋の下を通ると、運河から海に出ることができます。

竜宮橋を過ぎたあたりからは運河の幅が広がり、開放的な雰囲気になります。昔ながらの運河の風情が味わえるエリアです。元々小樽運河は、全体を通して幅が約40mほどあったのですが、埋め立て論争の末、南側運河の片側を埋め立てて減幅し、道路が作られました。当初は全部埋め立ててしまう計画もあったそうなので、多少幅が狭くなったとしても、「運河を残す」という英断は、現在の小樽にとても大きな遺産を残してくれたと言えます。

さらに運河沿いを進むと、右側に旭橋が見えてきます。小樽市の観光パンフレットなどにも登場するフォトジェニックなアーチ橋で、季節によってはこの橋の向こう側の海に綺麗な朝焼けが見えることで有名です。さらに、右側にはノスタルジックな北海製罐の倉庫や工場が並んでいて、ここも撮影スポットになっています。

北浜橋を過ぎ、左側に運河公園と艀(はしけ)が見えてくると運河の北端に到着です。往時はこのような艀が沖に浮かぶ船と運河沿いの倉庫との間を行き来し、たくさんの荷物を運んでいたそうです。現在このエリアは観光客の姿もまばらで、とても静かなので、のんびりと運河を見渡しながら一昔前の喧噪を想像してみるのも面白いかもしれません。

 

北運河は片道約20~30分で散策できますが、中央橋付近を発着する運河クルーズを利用すれば、浅草橋から北運河まで手軽に周遊できます。また、浅草橋付近から人力車に乗るのもおすすめです。浅草橋や中央橋からは、運河の北端が見えません。せっかく小樽にお越しになるのでしたら、ぜひ運河の魅力を存分に堪能していただきたいので、北運河にも足を運んでみてください。

 

◆ 運河公園

北運河沿いにある『運河公園』は、国指定重要文化財である『旧日本郵船(株)小樽支店』の荷物を積み下ろしていた場所に造られた、約7,800㎡の広さの公園です。

公園内にある休憩棟は、小樽市指定歴史的建造物に指定されている『旧日本石油(株)倉庫』の建物を利用しており、中には無料で入り休憩することが出来ます。
小樽市内には、市が指定した歴史的建造物が80棟以上もあります。倉庫や料亭、銀行などとして、当時の建築技術や装飾の粋を集めて建てられた貴重な建物が、「小樽市登録歴史的建造物」として登録され、保全されています。

『旧日本石油(株)倉庫』は1920年に木骨石造りの倉庫として建てられ、小屋組はクイーンポストトラス(対束小屋組)と呼ばれる洋風の構造になっています。1998年に運河公園がオープンする際、新しい石を用いて建て直され、現在は休憩棟として活用されています。
中はとても開放的で気持ちの良い空間が広がっていて、ベンチやテーブルなどが設置されていますので、ひと休みする場所として最適。歴史的建造物の中で休憩できるなんて、贅沢ですよね。時にはコンサートやイベントなどに使われることもあるようです。

園内には休憩棟のほかに、大正時代の石造りの倉庫を復元した遊具施設棟、中央部には当時の「船入澗(ふないりま)」を模した噴水池があるので、家族連れにもオススメです。
普段は静かな公園ですが、夏には噴水で水遊びする子供たちで園内が賑わいます。

他にも小樽港の築港に従事した廣井勇や伊藤長右衛門の胸像や、童謡でよく知られる『赤い靴』の親子像など、小樽にゆかりのある人々の銅像も設置されていますので、小樽の歴史的な一面も楽しめますよ。

『運河公園』は小樽市民の憩いの場として、お天気の良い週末などには子供連れや散歩する人などで賑わいます。
外のベンチには足が錨型のデザインになっているものや、カモメのモニュメントなどの小樽らしさも演出されており、さりげないところからも小樽を感じられるようになっています。

小樽運河や北運河にお越しになる方は、運河公園まで少し足を延ばして、歴史的建造物を眺めながらのんびり休憩してみてはいかがでしょうか。

小樽運河公園
住所:小樽市色内3-6
トイレ棟/遊具棟/休憩棟:利用時間 9:00~17:00
※冬期の利用については、事前にご確認ください



関連記事