2023年08月14日
小樽はガラス工芸の街として有名です。
ガラス細工が栄えるきっかけとなったニシン漁に使われる「浮き球(ガラスのブイ)」は、今では様々な光り輝く工芸品へと成長を遂げました。
(詳しくは過去ブログ「小樽観光ならガラス体験がおすすめです!」もご参照ください)
見るだけでも涼しげで時に心が洗われる「ガラス細工」を、実際に体験してみたいものの「なんだか大変そう…」「時間がかかりそう…」とためらう声も聞かれます。
でも、小樽運河界隈では小学生以上のお子様から大人まで、気軽に楽しめるガラス細工制作体験ができることをご存じでしたか?
その代表格が「とんぼ玉制作」です。
今回は「気軽にできる、とんぼ玉制作体験」についてご紹介します。
とんぼ玉は1センチから2センチのガラス球で、中心部に穴を空けて根付紐などを通し、ストラップやワンポイントアクセサリーとして人気があります。
夏はかんざしにつけたり浴衣の帯につける方もいて、とっても可愛いです。
とんぼ玉の名前の由来は諸説ありますが「根付を通した状態が昆虫のとんぼに見える」「とんぼ玉自体がとんぼの複眼に似ている」ことが有力視されています。
単にガラスを球状に成形したとんぼ玉もありますが、最近ではガラスの破片やビーズなどを組み合わせたとんぼ玉が主流になってきており、複雑な模様を生み出しています。
その姿を「小宇宙」と表現する方もいるほどです。
装飾に応じて名称を分けることもありますが、今では特に細かな名称の違いを持たせず「とんぼ玉」と総称することが多くなりました。
とんぼ玉づくりをしたいと思ったら、まずは小樽運河近くの「堺町通り商店街」を歩きましょう。
小樽のガラス工芸大手「大正硝子館」をはじめとし、制作体験が可能なガラス工芸店がいくつかあります。
また、小樽市内にある観光名所近くにも体験可能な工房がありますので、旅のルートの中で立ち寄りやすい工房を探してみてください。
空き状況によって予約なしの方は体験できないことがあるので、予約の要不要を確認してから訪問することをオススメします。
北一硝子と大正硝子館などは工房・販売店が市内に複数ありますので、体験可能施設の場所はしっかり確認しておきましょう。
とんぼ玉づくりは制作したい装飾・模様や、根付・鈴などの付属パーツで金額が決まります。
おおむね1,000円~1,500円、所要時間15分~30分(準備・冷却時間含まず)で体験できます。
施設の規模を問わず、小さなお子様でもご家族の付き添いがあれば体験可能なお店が多いのですが、高温のバーナーの火を使用するため、小学生未満のお子様は「見学のみ可」の場合があります。
ガラス玉は長いガラスの棒を温め溶かし、丸い形に成形することで完成します。
工房により微妙に手順が異なりますが、おおむね以下の手順でとんぼ玉を制作できます。
「マーブル模様」「水玉模様」「小花柄」といった大まかなデザインと色合いのバランスを決めます。
※ほとんどの場合、模様を複雑にすればするほど追加費用(粉ガラス代やパーツ代)が発生します。
メインのガラス玉部分になる色を決め、その他の装飾とのバランスを見ながら全体像を定めるのが良いでしょう。
ガラス棒を熱し、ガラス玉を成形します。
ガラス棒の先をバーナーで熱していくと、黒っぽく高熱に変化していきます。
そのまま温めていくとガラス棒の先がとろっとし始めるので、ゆっくり棒を回し、溶けたガラスが球状になるように成形していきます。
溶かしたガラス棒をもう一本作りマーブル模様を加えたり、ビーズ状のガラス片を加えて星空のような水玉模様をつけたり、既製品の花細工を中に閉じ込めるなど、とんぼ玉に細かな装飾を施します。
模様のつけすぎはゴテゴテした印象になりますし、装飾を遠慮しすぎると少し寂しい印象になります。程よいバランスで装飾するのが腕の見せどころです。
ガラス玉になった部分に鉄の棒を差し込み、ノミ状の工具を用いてガラスを切り離します。
冷却は一気に行うとガラスを傷つけたり割れる原因につながりますので、おがくずなどの中でゆっくり時間をかけて冷却します。
冷却時間は、その日の気候により30分から1時間はかかり、短縮できません。
営業時間内であれば他の施設を見学して、その日のうちに受け取れますが、営業時間ギリギリに体験すると後日発送になります。
なお、制作体験時間に冷却時間は含まれていないので注意しましょう。
とんぼ玉をストラップなどとして使用しないのであれば、手順4でおしまいですが、多くの方が根付やイヤホンアクセサリー、かんざしなどに加工します。
冷却後、必要なパーツを取り付けて完成です。
とんぼ玉は、夏を彩る風鈴のような形をしており、涼しげなフォルムが人気の工芸品です。
プロの作品を眺めていると、つい、いくつも集めたくなってしまいます。
奥深く趣のあるとんぼ玉、ぜひ制作体験してみませんか?