2023年08月21日
小樽市にある能楽堂(旧岡崎家能舞台)は、毎年夏季に一般公開中されています。
この能楽堂は、新潟出身の岡崎 謙氏が入舟町の自邸内に建てた能舞台で、大正15年(1926年)に竣工しました。その後小樽市に寄贈され、現在の場所(小樽市公会堂内)に移設されたのち、昭和60年(1985年)に小樽市の歴史的建造物に指定されました。
能楽堂に隣接している旧小樽区公会堂も歴史的建造物に指定されています。こちらは明治44年(1911年)に当時の皇太子(のちの大正天皇)の宿泊所として建てられたもので、その後公会堂として使われました。現在の場所に移された際に、同じく移設された能楽堂を増設したそうです。
小樽市の能楽堂は、非常に格式の高い様式で作られています。舞台用材として神代杉や九州産檜などを使い、鏡板(舞台正面の羽目板)の松や揚幕板戸の唐獅子なども、わざわざ江戸幕府のお抱え絵師だった狩野家の当主を呼び寄せて書かせたもので、一見の価値があります。
夏季公開中にはこの能舞台を使った無料・有料の催しなどがたくさんありますので、ぜひ見学に出かけてみてはいかがでしょうか?