2022年10月14日
10月14日は「鉄道の日」ということで、小樽と鉄道についてご紹介します
グランドパーク小樽の山側のお部屋(特に高層階のお部屋)からは「函館本線」を行き来する電車が見えます。普通電車や快速電車が1日に150本ほど往来し、比較的頻繁に電車が通り過ぎる様子をご覧いただけるので、特に電車好きのお子様にはとても喜んでいただけるお部屋です。
函館本線は、函館から小樽・札幌を経由し、旭川までを結ぶ約423km、支線も含むと約458kmにも及ぶ北海道最長の鉄道路線です。歌にも多く歌われ、鉄道ミステリーの舞台としても何度も登場する有名な路線です。
現在は全線JR北海道(旧国鉄)が管理管轄している路線ですが、元々は北海道炭礦鉄道*、北海道鉄道、北海道官設鉄道だったものを明治38~40年(1905~1907年)にそれぞれ国有鉄道に編入・買収し、1つの路線となりました。※北海道炭礦鉄道は、北海道初の鉄道路線「官営幌内鉄道」の運営を請け負った北有社が事業譲渡した先
国有鉄道となったばかりの頃は、函館ー旭川間を結ぶ直通列車もあったようです。また、かつてはデゴイチやシロクニの愛称で知られるD51やC62の蒸気機関車が函館方面や札幌方面へ向かう急行電車を牽引しながら小樽市内を通っていた時代もありました。しかし現在では、札幌ー函館間の特急も別路線を経由しているため小樽を通らなくなってしまったので、小樽市を走る函館本線は、小樽と札幌・新千歳間を結ぶ電車と、小樽からニセコを経由して長万部方面へ向かう電車のみとなっています。
小樽ー長万部間は運行本数が非常に少なく、2030年度末に予定されている北海道新幹線の札幌延伸に伴い、同区間の鉄道はバス輸送へと転換される計画となっています。ただし、札幌ー小樽間の鉄道は、新幹線開通後も維持される予定です。
ちなみに、現在グランドパーク小樽やウイングベイ小樽が建っているエリアは、かつては小樽機関区(旧小樽築港機関区)や貨物ヤードだった場所です。また、このホテル周辺の海は、かつては「若竹貯木場」だったため大量の木材が浮かんでいたそうで、昔を知る人にとっては現在の小樽築港駅周辺は大きく様変わりした風景になっているようです。
小樽市内の中心部には、明治13年(1880年)に小樽・手宮ー札幌間に開通した北海道最古の鉄道路線「旧国鉄手宮線(旧官営幌内鉄道)」があります。開通後、鉄路は炭鉱があった幌内まで延伸し、石炭や木材、海産物の缶詰などが小樽から大量に積み出されてゆきました。物流の拠点となって北海道や小樽の開拓・発展に大きく寄与した後、昭和60年(1985年)に廃線となっています。
その後、寿司屋通りから小樽市総合博物館までの約1.6kmの区間が、線路や遮断機などの鉄道遺構をそのまま残しつつ、数期に分けて整備されました。線路沿いを歩くことができる散策路やポケットパークと呼ばれる小公園などが設けられたほか、古い駅の面影を残して「旧色内駅」が復元され休憩所として使用されるなど、観光スポットとして生まれ変わりました。また、現在では「小樽がらす市」や冬の恒例イベント「小樽雪あかりの路」のメイン会場の1つとしても活用されています。
旧手宮駅の構内敷地跡には、小樽市総合博物館本館が建っています。ここは、かつては「小樽交通記念館」と呼ばれていたことからも分かる通り、鉄道ファン垂涎の施設です。小樽市の歴史と自然や北海道の交通史などが主な展示内容ですが、蒸気機関車「しづか号」など、北海道を代表する鉄道車両の保存・展示や北海道鉄道の歴史を紹介する常設展示のほか、屋外では1909年アメリカ製の蒸気機関車「アイアンホース号」が期間限定で運行*します。
*運行状況をご確認ください。
小樽市総合博物館の入口は「正面入口」と「手宮口」の2ヵ所あり、車の方は駐車場がある正面入口を使う場合が多いと思いますが、バスを使う場合に便利なのは手宮口です。手宮口の入口横には、1988年9月に日本青年会議所 北海道地区協議会によって建立されたもモニュメントがあり、「北海道鉄道発祥の地 “小樽” の起点である “手宮” はゼロマイルの地であり、未来への翔きとしてこのモニュメントを贈る」といったことが刻まれています。小樽は鉄道と深く関わりながら発展した歴史があるため、往時の繁栄と、それを支えた旧手宮線の功績を称えるシンボルとしてつくられたそうです。
* * * * *
鉄道は小樽の発展には欠かせないものであったと同時に、現在でも、札幌や新千歳空港と小樽が鉄道でつながっている利便性が、小樽の観光都市としての利点としてあげられていることからも、小樽とは切っても切り離せない存在であり続けています。
小樽の鉄道に興味のある方は、ぜひグランドパーク小樽の山側客室(特に高層階がおすすめ!)にご宿泊いただき、旧手宮線や小樽市総合博物館本館(旧小樽交通記念館)などにも足を延ばしてみてください。