2017年09月28日
小樽と言えば、小樽運河の倉庫群や堺町通りに立ち並ぶ石造倉庫など、倉庫が有名ですよね。
小樽の倉庫群には、小樽の歴史がぎゅ~と詰まっています!
今回は小樽の倉庫のアレコレ。小樽における倉庫の歴史と現在についてご紹介します。
明治初期以降、北海道の近代化が急速に進み、港町の小樽は北海道開拓の拠点として急速に発展していきました。
小樽港では北海道の海運貿易拠点としてたくさんの物資が流通し、その物資を保管するためにたくさんの倉庫が必要でした。
大正時代には積荷の運搬作業を効率的に行うために「小樽運河」が、そしてその運河沿いにはたくさんの「倉庫」が作られます。
小樽の倉庫の特徴は、内側の柱や梁は木材・外側は石造りの「木骨石造」です。
石造りの建物は、夏は涼しく冬は暖かい上に防火性にも優れていて、倉庫に適しています。
外壁の軟石が小樽近郊で採れること、工期が短く建築費も低く抑えられることもあって、大正初期頃までは多くの石造倉庫が建てられます。
大正中期以降はモルタル塗りやタイル貼り、鉄筋コンクリート造りが主流となり、石造倉庫は少しずつ姿を消していきました。
現在でも残る石造倉庫は、その歴史を感じる風合いそのままに施設や店舗として活用され、小樽の重要な観光資源となっています。
小樽運河沿いをはじめ、小樽運河周辺にはたくさんの石造倉庫があり、現在でも施設や店舗として小樽の歴史を刻んでいます。
地図を片手に散策し、観光スポットとして楽しむのはもちろん、ぜひ小樽の歴史にも触れてみてください。
エリアごとの現在の様子を紹介します。
(倉庫の画像や住所などは小樽市ホームページの小樽市指定歴史的建造物一覧でも確認できます)
明治23〜27年建造の旧小樽倉庫は、木骨石造倉庫と木骨レンガ造りの事務所です。
現在は観光案内所や土産物店を含む小樽運河プラザ、小樽市博物館などとして利用されています。
明治24年に建造された小樽運河象徴的存在の2階建て倉庫。
アーチ形の入口と「へ七(やましち)」の屋号が目を惹きます。現在は使われていません。
明治28年に造られた、母屋から左右の小倉庫に大屋根がかかっている独特の形の倉庫。
現在はカフェやライブハウスとして使用されています。
旧日本郵船小樽支店と共に明治39年に造られた倉庫。
旧日本郵船小樽支店は重要文化財に指定され、残荷倉庫は現在は会社の事務所として使われています。
明治22~36年に建造された倉庫群。どれも小樽市歴史的建造物として指定されています。
広海倉庫は現在も倉庫として稼働中です。
小林多喜二の小説「不在地主」のモデルとなった磯野商店が明治39年に建てたレンガ造りの倉庫です。
以前はカフェとして営業していたこともありましたが閉店し、2017年現在は新たなテナントへと改装中とのことです。
明治25年に造られた、石造倉庫の特徴をよく伝えるこぢんまりとした小さな倉庫。
現在は「北のアイスクリーム屋さん」で観光客の方にも人気です。
堺町通りは北海道のスイーツから雑貨、お土産物まで様々なショップが並び、小樽運河に次ぐ人気の観光スポットです。
小樽土産の定番とも言えるガラス製品のお店。
注目すべきは1階のカフェです。
167個の石油ランプが灯されたフロア内では一日に数回クラシックピアノの演奏もあり、幻想的な雰囲気に浸ることができます。
店舗は小樽軟石を外壁に使った漁業用の石造倉庫を改装。平成3年には小樽市歴史的建造物に指定されています。
北一硝子 三号館
北海道小樽市堺町7-26
TEL:0134-33-1993(代)
営業時間/8:45~18:00 ※催事、季節により変動あり
休み/無休
http://www.kitaichiglass.co.jp/
北海道砂川市に本店を持つスイーツショップ「北菓楼」。
しっとりふわふわの「バームクーヘン妖精の森」や海の恵みをふんだんに使用した「北海道開拓おかき」などが人気です。
石造倉庫を利用した店舗は、2003年に小樽市の「都市景観賞」を受賞しています。
北菓楼 小樽本館
北海道小樽市堺町7番22号
TEL:0134-31-3464
営業時間/9:00~18:30 ※冬季は~18:00
休み/元旦
http://www.kitakaro.com/ext/tenpo/otaru.html
言わずと知れた数々の北海道銘菓を販売する六花亭。
前述の北菓楼に隣接する2階建ての石造倉庫を改装した店内では、マルセイバターサンドをはじめとする人気商品が並びます。
吹き抜けの2階はカフェになっていて、美味しいスイーツを食べながらコーヒーを飲むこともできます。
六花亭 小樽運河店
北海道小樽市堺町7-22
TEL:0134-24-6666
営業時間/9:00~18:00
休み/なし
http://www.rokkatei.co.jp
小樽運河沿いやその周辺にある倉庫群は、港町として栄えた小樽の歴史がしっかりと刻まれています。
建造当時の技術やデザインが施され、優れた文化遺産としても高く評価されています。
小樽市歴史的建造物として指定されているものも多いので、小樽を訪れた方はぜひ一度、地図を片手にその歴史の足跡を覗いてみてはいかがでしょうか。