2023年04月03日
小樽市鰊御殿は、水族館などがある祝津エリアにあります。明治時代に建てられた当時の原型をほぼ留めている文化財で、大変貴重なものです。また、近年では人気漫画・アニメの『ゴールデンカムイ』に登場し、注目を集めていますので、ぜひ訪れてみてください。
※改修工事に伴い、休館期間が設けられています。詳細はこちら▶
もともとは青森出身の田中福松によって、明治30年(1897年)に積丹半島の南側の付け根にある泊村に建てられたもので、建設には7年もの歳月を費やしています。
北海道や東北地方の木材を使って建てられており、番屋として全盛期には120人もの漁夫が寝泊まりしていたそうです。
昭和33年(1958年)に現在の場所に移設復元されました。その後、小樽市に寄贈され、昭和35(1960)年に、北海道の民家では初めて「北海道有形文化財鰊漁場建築」に指定されています。
総面積は約185坪もあり、現存する鰊御殿としては最大級。一部2階建てで、1階にはにしん漁やにしん加工に使われた道具や、番屋で暮らした人々の生活用具や服、写真やジオラマなどを展示しています。
ここではぜひ2階にも上がってみてください。2階には広い客間や親方夫婦の寝室のほかに、「隠れ部屋」もあります。隠れ部屋の用途については、現金の隠し場所だったとか所説あるそうですが、はっきりとしたことは分かっていません。
また、2階からは窓ガラス越しに絶景が楽しめるのもおすすめポイントです。
さらに、建物の敷地の奥のほうには小さな祠と岬があり、ここからの眺めも最高です。石狩湾の水平線から祝津漁港まで、ぐるっと広角に見渡すことができるので、お天気が良い時にぜひ訪れてみてください。