小樽情報
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旧三井銀行小樽支店・旧北海道拓殖銀行小樽支店

2020年05月27日

明治後期から昭和初期の小樽は、「北のウォール街」と呼ばれるほどの経済都市でした。最盛期には25行もの銀行が小樽に支店を出し、北日本随一の金融都市としても栄えていました。

現存する銀行の建物の多くが小樽市の歴史的建造物に指定されており、現在別の用途に活用されています。

◆旧三井銀行小樽支店

小樽市色内にある「旧三井銀行小樽支店」の建物は、小樽市の市指定有形文化財に指定されています。1927年(昭和2年)に竣工した地下1階地上3階建ての鉄骨鉄筋の建物で、設計は当時日本の建築界をリードしていた曾禰中條建築事務所(曾禰達蔵・中條精一郎)によるもの。外壁には花崗岩を用い、アーチ窓を連ねたルネッサンス様式で、関東大震災直後の起工だったため当時最先端の構造と耐震技術が用いられています。

2002年(平成14年)に銀行としての営業が終了しましたが、現在は「小樽芸術村」の1部として公開されています。内部は、1階に吹き抜けの広い客溜や営業カウンター、金庫室、2階には回廊が巡らされ、会議室や応接室が配されています。細部に緻密な意匠が施されているほか、天井の石膏彫刻が秀逸なので、ぜひご覧ください。

◆旧北海道拓殖銀行小樽支店

上記の旧三井銀行小樽支店と同じエリアにあり、小樽市の歴史的建造物に指定されています。日銀通りに面しており、文字通り「北のウォール街」の一角を担う建物でした。国会議事堂を手掛けた矢橋賢吉の設計により、大正12(1923)年に竣工。地下1階地上4階建ての鉄筋コンクリート造りの建物で、「蟹工船」で有名なプロレタリアート文学の作家・小林多喜二が働いていたことでも知られています。

一時期はホテルとして活用されていたこともありましたが、現在は「小樽芸術村」の中の1つ「似鳥美術館」として、日本画や洋画、木彫などが展示されているほか、地下はアールヌーヴォー・アールデコ グラスギャラリーとなっています。

正面入り口のアールの曲線が特徴的な建物です。1階は、2階までの吹き抜けになっていて、古典的デザインの白い円柱が6本立ち並んでいます。荘厳かつ重厚なうえに、開放感もある内観にぜひ注目して見学してください。

 


 

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問題①:旧三井銀行小樽支店と旧北海道拓殖銀行小樽支店は、現在何になっているでしょうか?
ヒント:小樽〇〇村(上記のブログの中にヒントがあります)

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