小樽情報
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旧百十三銀行小樽支店

2020年06月17日

先週ご紹介した「旧第百十三国立銀行」のすぐ近くにある建物で、銀行業務の拡大に伴い、明治41年(1908年)に新たに支店店舗として建設されました。

於古発川(おこばちがわ/妙見川と呼ばれることもあります)沿いにある「寿司屋通り」と「堺町通り」とが交差する角にあるため、ここから小樽観光のメインストリートとも言える「堺町通り」がスタートする印象があり、通りの北端の目印ともなる建物です。

木骨石造りの2階建てで、屋根は瓦葺き。外壁は煉瓦タイルと窓や入口の柱の白い部分とが縦じまになっていて、少しカジュアルな見た目です。ただし、建設当初の外壁は石張りだったそうなので、今よりもだいぶ重厚な雰囲気だったのかもしれません。内部には吹き抜けのホールがあり、見上げると天井に組まれた木骨が見えます。

2つの通りに面した一角を落として入口が作られているため、建物全体は5角形をしています。入口上部の両脇にある古代ギリシャ風の円柱は、上にいくほど細くなる銅張りで安定感があり、三角破風の下にはレリーフが彫られていて、レトロ感を醸し出しています。

小樽市の歴史的建造物に指定されており、資料によると設計は池田増治郎とのことですが、他にどんな建物を手掛けた方なのか、これ以上の情報は見つかりませんでした。

旧百十三銀行が北海道銀行(後に北海道拓殖銀行に統合/現存する北海道銀行とは別の銀行)に統合されたのち、この建物は住友銀行小樽支店として使われました。住友銀行小樽支店が閉鎖された後は、看板などの広告・デザインを手掛ける会社、老舗菓子店の千秋庵と移り変わり、平成15年(2003年)に雑貨やアクセサリーを販売する「小樽浪漫館」となって今に至っています。

この界隈には他にも歴史的建造物が多く、小樽市の歴建に指定されている場合は必ず紫色の案内版が出ていますので、1つ1つ読みながら行くと、明治期から昭和初期までの小樽の繁栄の歴史がとてもよく分かります。

※現在、小樽浪漫館は臨時休館中。6/20から再開予定です

 


 

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問題四:旧百十三銀行小樽支店は、現在何になっているでしょうか?
ヒント:小樽〇〇館(上記のブログの中にヒントがあります)

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