2020年06月24日
日銀通りに面した小樽市指定の歴史的建造物です。1912年(明治45年)建造、地下1階地上2階建ての石造り亜鉛葺きで、旧北海道銀行本店の建物として建てられました。
外観は、基壇部分は石造りの石が見えており、その上の外壁はモルタル塗装。ルネッサンス様式で、銀行建築特有の重厚さがあります。玄関や窓まわりにはアーチ型の石組みが施されており、ファサード(正面)の左角は丸くえぐったデザインになっています。
設計したのは、東京駅などの設計で知られる日本近代建築の父とも呼ばれる辰野金吾の弟子・長野宇平治で、明治から大正にかけて日本銀行各支店の建物を多く手掛けています。この旧北海道銀行本店の斜め向かいに建つ旧日本銀行小樽支店(現・金融資料館)も、辰野金吾と長野宇平治を含む弟子たちの設計です。
後に、裏手に増築された部分は鉄筋コンクリート造りですが、表通り(日銀通り)からはほとんど見えないので、外観は建造当時の姿をほぼ留めています。
旧北海道銀行は、小樽に本店を置いていた銀行で、現存している「北海道銀行」とは全く別の銀行でした。1944年(昭和19年)に北海道拓殖銀行に吸収合併されて消滅してしまったため、その後この建物は北海海運局や中央バスの本社ビルとして使われ、1996年(平成8年)からはワイン&カフェレストラン「小樽バイン」となっています。
内部はレストラン&ショップに改装されていますが、石と木を使い、小樽らしいレトロな雰囲気になっています。「北のウォール街」散策の途中でぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
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問題五:旧北海道銀行本店は、現在何になっているでしょうか?
ヒント:小樽〇〇〇(上記のブログの中にヒントがあります)