2024年05月31日
小樽市の歴史や自然・北海道の交通史・科学技術をテーマにさまざまな活動を行っている「小樽市総合博物館」。
同館は、2024年5月27日に『第5回日本博物館協会賞』の受賞を発表しました。
『日本博物館協会賞』とは、博物館の振興に大きく貢献し、顕著な成果を挙げた国内の施設が選ばれ表彰されるものです。
地元小樽に根付いたまちづくりや観光振興に積極的に取り組む小樽市総合博物館は、地方博物館の好事例と評価されました。
今回はそんな「小樽市総合博物館」についてご紹介します。
昭和31年に道内4番目の市立博物館として開館した小樽市博物館が前身となっています。
平成19年に旧小樽交通記念館跡地に小樽市博物館と小樽市青少年技術科学館を統合し、現在の小樽市総合博物館へと改称しました。
旧手宮線・手宮駅の構内敷地を利用して設置している博物館には屋内・屋外それぞれに様々な展示があり、鉄道をはじめ様々な歴史を伝え続けています。
北海道に初めて鉄道が開通したのは明治13年。
小樽「手宮」~ 「札幌」間に敷設、更に2年後には幌内炭鉱が開業し本格的な石炭の輸送が開始され北海道の開拓に大きく貢献し、昭和60年に廃止となり105年の歴史に幕を閉じました。
その後旧手宮鉄道施設は現在の小樽市総合博物館として、当時の線路を残した手宮線跡地は散策路として形を変え今もなお小樽の街にあり続けています。
構内を走り、実際客車に乗車することが可能な蒸気機関車「アイアンホース号」をはじめ(※)、屋内外にさまざまな鉄道車両の展示があります。
北海道近代化の初期に活躍し、人気漫画ゴールデンカムイにも登場した「しづか号」や現存する最古の蒸気機関車車両の「大勝号」。
実際に働いていた車両のほかにも模型や資料館と様々な形で鉄道とその歴史を堪能することが出来ます。
※「アイアンホース号」の運行につきましては小樽市総合博物館公式HPをご確認ください。
音・光・電気に関する科学を楽しく学習できる展示や、季節の星座や今晩の星空について生で解説してくれるドームシアター(プラネタリウム)など、鉄道のみならず幅広く楽しめるようになっています。
明治26年に建てられた市指定歴史的建造物「旧小樽倉庫」を利用した運河館。
平成19年まで小樽市博物館として開館していましたが、小樽市総合博物館の開館に合わせ分館として生まれ変わりました。
小樽のまちの変遷を記録した写真や地図、二千点にも及ぶ自然史資料など豊富な資料から小樽市の歴史と自然環境についてわかりやすく学ぶことが出来る施設となっています。
小樽市総合博物館の入口は「正面入口」と「手宮口」の2ヵ所あり、車の方は駐車場がある正面入口を使う場合が多いと思いますが、バスを使う場合に便利なのは手宮口です。このモニュメントは、その手宮口の入口横にあります。
1988年9月に日本青年会議所 北海道地区協議会によって建立されたものだそうで、「北海道鉄道発祥の地 “小樽” の起点である “手宮” はゼロマイルの地であり、未来への翔きとしてこのモニュメントを贈る」といったことが刻まれています。小樽は鉄道と深く関わりながら発展した歴史があるので、往時の繁栄と、それを支えた旧手宮線の功績を称えるシンボルとしてつくられたもののようです。
小樽の歴史の魅力が詰まった「小樽市総合博物館」、ぜひ足を運んでみてください。
小樽市総合博物館 本館
〒047-0041 小樽市手宮1丁目3番6号
TEL:0134-33-2523
https://www.city.otaru.lg.jp/categories/bunya/shisetsu/bunka_kanko/museum/